「区間推定を求める公式の使い方が分からない」
「例題と少し問題が異なるだけで、計算できなくなる…」
本記事では、上記のような悩みを解決します。
母分散既知の場合の信頼区間の公式
母分散があらかじめ分かっている場合は、信頼区間を簡単に計算することができます。
n 個のデータの平均値を \(\bar{X}\) 、母平均を \(\mu\) とするとき、信頼区間は下記の式で求めることができます。
$$\bar{X}-Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}\leq \mu \leq \bar{X}+Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$$
ただし、\(\sigma\) は母標準偏差(母分散の平行根)、Z は信頼係数によって変化する値です。
どのくらいの幅の信頼区間を計算するかによって、Z は下表のように変化します。
信頼係数 | Z の値 |
---|---|
90% | 1.645 |
95% | 1.960 |
99% | 2.576 |
実際のデータを用いて、公式の使い方を見てみましょう。
例題で学ぶ公式の使い方
信頼区間を求める問題ですので、前節で紹介した公式を使うことができます。
$$\bar{X}-Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}\leq \mu \leq \bar{X}+Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$$
この公式を使うためには、下記の値が必要になります。
- データの平均値:\(\bar{X}=51.5\)
- 母分散:\(\sigma^2=6.0\)
- データ数:\(n=10\)
- Zの値:\(Z=2.576\)
これらの値を代入すると、
$$51.5-2.576\times \frac{\sqrt{6}}{\sqrt{10}}\leq \mu \leq 51.5+2.576\times \frac{\sqrt{6}}{\sqrt{10}}$$
単に代入しているだけに見えますが、 1 つだけ注意点があります。
公式の中の \(\sigma\) は、母分散の平方根です。この例題では、母分散が 6.0 ですので、公式に代入するときには、\(\sigma=\sqrt{6}\) で入れられています。
母分散の代入は間違えやすいので、慎重に行ってください。
さて、数値を代入しましたので、計算すると信頼区間が下記のように求められます。
$$49.5 \leq \mu \leq 53.5$$
このように、数値を代入するだけで信頼区間を求めることができます。
自動計算フォーム
信頼区間は公式から求められますが、式とデータを見比べながら計算するのは時間がかかります。
そこで、母分散既知の信頼区間を自動で計算できるフォームを作りました。
データの平均値、母分散、データの数、信頼係数を入力すると自動で計算されます。(動作確認済み)
信頼係数は90%、95%、99%の3種類に対応しています。
まとめ
本記事では、母分散既知の信頼区間の計算方法を解説しました。
母平均は以下のように区間推定されます。
$$\bar{X}-Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}\leq \mu \leq \bar{X}+Z \frac{\sigma}{\sqrt{n}}$$
信頼区間の計算が面倒なときは、本記事の計算フォームをご自由にお使いください。