筆者は統計検定2級に合格してから半年で、統計検定準1級に合格しました。
この記事では、私が実際におこなった勉強法と参考書を紹介します。
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統計検定準1級の難易度・勉強時間
統計検定準1級は、2級と比べるとかなり難しくなっています。
その理由は、ひとことで表すと、「試験範囲が広いから」です。
筆者は1級も合格していますが、統計検定2級、準1級、1級の難易度を体感で表すと、
2級<<準1級<1級
つまり、2級と準1級のあいだには大きな壁があって、1級は準1級を少し難しくした試験という印象をもちました。
勉強時間については、筆者は2級に合格してから半年ほどで準1級に挑戦して合格できました。
後述しますが、特に大変なのが、数学のさまざまな定理を使いこなせるようになることです。
大学基礎レベルの数学が身につくのに3か月、統計学の勉強をするのが3か月のイメージです。
統計検定準1級はコンピュータを利用したCBT試験を受けられるので、いつでも受験可能です。
焦らずコツコツと勉強を進めていきましょう。
前提となる知識
統計検定準1級は、2級の知識が前提となっています。
そのため、2級に合格してから準1級を受験するようにしましょう。
特に2級の範囲である推定・検定の考え方をマスターしていることが重要です。
2級の勉強方法は以下の記事で解説していますので、まだ合格していない方は参考にしてください。
記事の以下の部分では、2級の知識があることを前提に書かせていただきます。
具体的な勉強方法
統計検定準1級は大きく分けて、理論分野と応用分野があります。
たとえば理論では、確率分布の期待値や分散を計算したり、統計的推定の背景にある理論について書かれていたりします。
また応用では、重回帰分析、時系列解析など発展的なトピックをあつかっています。
そのため、数学が得意な方は理論で、そうでない方は応用で点をとる戦略がよいと思います。
なお、準1級の後に1級を見すえているのであれば、理論の理解は必須です。なぜなら、1級は理論の占める割合がとても高くなっているからです。
勉強する範囲は広いですが、全体をカバーできる参考書があります。
下記の参考書は多くの方が紹介されており、実際に筆者も、この参考書を使って準1級の勉強をしました。
以下に、参考書を使った、理論と応用それぞれの勉強法を紹介します。
理論分野の勉強方法
まずは期待値・分散の性質と、確率分布の期待値・分散を求められるようになりましょう。
これらは理論の基礎となるところですので、何も見なくてもスラスラ書けるようになるまで練習します。
計算の途中式で、二項定理、ガンマ関数など、高度な数学が出てくるので、思っているよりも時間がかかります。
筆者も忘れている数学の定理が多かったので、復習に時間がかかりました。
反対に、高校数学・大学1、2年レベルの解析学と線形代数学がわかっていれば、理論分野の攻略は簡単です。
さて少し脇道にそれましたが、期待値・分散の計算がスラスラ書けるようになったら、残りの理論分野を勉強していきます。
主には漸近理論、推定、検定の理論となります。
期待値・分散を勉強するなかで、いろいろな数学の定理を勉強しているはずですので、残りの分野の勉強は難しくないと思います。
こちらも参考書を見ずに証明ができるようになれば問題ありません。
応用分野の勉強方法
応用分野は理論とちがって勉強する幅が広いです。
理論分野は統計検定1級とかぶっているところが多いので、準1級の後にそのまま1級につなげられますが、応用分野は1級とかぶっているところが少ないです。
筆者は1級の勉強を先に進めていて、途中で準1級を受験しようと方針転換したのですが、応用分野に特に苦戦しました。
分野が広いので、網羅的にあつかっている参考書がないというのが大きな理由です。
そのため、上記で紹介したワークブックを進めるしかなく、演習量が不足しがちになります。
応用分野を勉強するときは、ワークブックを完璧にする気持ちですすめましょう。
ワークブックの使い方は理論分野と異なり、最初に全体を把握するのがよいです。
まずは内容がわからなくても読み進めて、全体を3回くらい読み直します。
それぞれの分野は独立しているので、取りかかりやすそうな分野から勉強していきましょう。
演習問題が解けるようになるだけではダメで、本文の内容もしっかりと理解している必要があります。
科学的にも効果が高いといわれている勉強法が、「人に教える」ということで、架空のキャラクターやぬいぐるみでも構いませんので、勉強した内容を授業することで定着します。
筆者はノートに要点を自分のことばでまとめて、壁にむかって一人で授業していました。
演習量をふやしたいとき
ワークブックは必携ですが、演習問題の数が多くありません。
過去問を使うのもいいですが、筆者は以下の参考書を使っていたので紹介します。
この本は、基本的な確率から始まって、統計的推定・検定までカバーしている問題集です。
解説がていねいで、統計検定1級、準1級の30~40%くらいの範囲をカバーしています。
筆者はワークブックと上記の問題集の2冊で準1級に合格しましたので、もっと演習量をふやしたいと思っている方は参考にしてください。
まとめ
本記事では、統計検定準1級の勉強方法について解説しました。
大きく分けて理論分野と応用分野に分かれているので、2級よりも大幅に難しくなっています。
それぞれでは以下のような勉強方法が適しています。
理論分野
- 大学1、2年レベルの解析学と線形代数学がわかれば十分
- 確率分布の期待値、分散を計算できることを優先する
応用分野
- ワークブックを完璧にこなす気持ちで取り組む
- 全体を浅く広く眺めてから、それぞれの分野を勉強していく
範囲は広いですが、試験は1年中受けることができるので、自分のペースで計画を立ててコツコツ進めていくことが大切です。
合格に向けてがんばっていきましょう!