この記事では、Google Colaboratory(通称Colab)の使い方を説明します。
私は、AIエンジニアとして、仕事でもGoogle Colabを使っています。
Google Colabをはじめるために必要なものは、Googleアカウントと、Pythonをさわったことのある経験です。
Pythonを使ったことのある方なら、「Pythonの環境構築が難しい。。」と感じて、諦めそうになってしまったことはありませんか。
Google ColabはPythonの環境構築が不要で、すぐに使い始めることができます。
さらに、Googleアカウントがあれば無料で使えるので、初心者の方にも安心です。
それでは、Google Colabをはじめてみましょう。
Google Colabのはじめかた
Google Colabを使うには、Google ドライブにアクセスします。
Googleドライブの画面で、「新規」→「その他」→「Google Colaboratory」と選択します。

はじめてGoogle Colabを使うときは、「Google Colaboratory」のコマンドがないので、その場合は、「アプリの追加」から、Google Colaboratoryをインストールします。

以下のような画面が出てきたら、Google Colabを使い始めることができます。

セルの実行方法
セルを実行する前に、接続が必要になります。
Google Colabの右上に「接続」というボタンがあるので、クリックします。
数秒の間待つと、下図のように表示が変化するので、そうすると使えるようになります。

さて、実際にプログラムを書いて動かしてみましょう。
Google Colabの1つずつ区切られた部分を「セル」とよびます。
セルにプログラムを書いて、実行することができます。

上図のように、セルの中にプログラムを書いて、左側の矢印をクリックすると実行できます。
実行は、「Shift」+「Enter」でもできます。
プログラムを実行すると、セルの下に実行結果が表示されます。

基本的な使い方はこれだけです。
ただし、注意点として、無料版では、90分間何もしないと、セッションが切れてしまいます。
操作をしていると90分以上にできますが、最長12時間でセッションが切れます。
セッションが切れると、保存されている計算結果が削除されてしまいます。
その場合は、あわてずに、もう一度「接続」をして計算させると元に戻せます。
ファイルのアップロード方法
Pythonで簡単なプログラムを書くだけでなくて、CSVデータを解析したり、画像ファイルを読み込んだりすることもできます。
ファイルのアップロード方法には、2種類あります。
まずは、ローカルコンピュータにあるファイルを読み取る方法です。
Colabでは、手元のファイルを簡単にアップロードできます。

上図のように、ファイルのコマンドをクリックして、ファイルをアップロードします。
画像では、「sample.csv」という名前のファイルをアップロードしています。
ファイル右側の3点リーダーをクリックすると、「パスをコピー」という選択肢があるので、クリックして、Colabの中でファイルを読み込めます。

ただし、この方法の欠点は、セッションが切れると、アップロードしたファイルも削除されてしまいます。
セッションが切れる時間は、何も操作しない状態で90分、操作してても最大12時間です。
そのため、長く残しておきたいファイルの場合は、もうひとつの方法を使います。
もうひとつのファイルのアップロード方法は、Googleドライブ中のファイルを読み取るものです。
まずは、使用したいファイルをGoogleドライブにアップロードします。
Googleドライブの画面にもどって、ファイルをアップロードします。

ファイルをアップロードできたら、Colabにもどって、フォルダのアイコンをクリックします。
Googleドライブと接続することを「マウント」といって、マウントの確認画面にしたがって許可します。
マウントを行うと、下図のように、フォルダアイコンに斜線が入ります。
また、driveというフォルダが新しく表示されるようになります。

これでマウントは完了です。
Googleドライブにアップロードしたファイルは永続的に残るので、セッション時間を気にすることなく使えます。
GPUの設定方法
Google Colabのメリットは、Pythonの環境構築が不要になるだけでなく、GPUやTPUを一部無料で使えることにもあります。
GPU、TPUというのは、AIや機械学習の計算を高速にできる部品のことです。
コンピュータにもともと備わっているCPUよりも、何倍も高速に計算できます。
現代のAIモデルの計算では、ほとんどGPU、TPUが使われています。
ふつうは、GPU、TPUは購入するか、クラウドサービスで有料で借りることになります。
しかし、Google Colabでは、はじめからGPU、TPUを一定時間だけ無料で使えます。
どのくらいの時間使えるのかは、需要におうじて変化するので分かりませんが、1日数時間は使えます。
GPUを使うには、Colabで、「ランタイム」→「ランタイムのタイプを変更」をクリックして設定します。

GPUを選択すると、セッションが一度きれて、再接続されます。
どんなGPUが割り当てられたのか、確認するには、セルに「!nvidia-smi」と打って、実行します。

上図は一例ですが、このような表示が出てきたら、GPUが使えるようになっています。
まとめ
本記事では、Google Colaboratory(Colab)の基本的な使い方を解説しました。
Google Colabを使うことで、Pythonの環境構築をせずに、プログラミングに集中できます。
セルの実行と、ファイルのアップロードができれば、だいたいの操作はできます。
注意点として、無料版では、何も操作しなかったら90分、操作してても最長12時間でセッションが切れます。
セッションが切れると、計算結果が削除されます。
このときに、アップロードしていたファイルも消えるので、大事なデータはGoogleドライブ経由で使うようにしましょう。
また、無料版では制限はあるものの、GPU、TPUも無料で使えます。
規模の大きいモデルの計算に役立つので、ぜひ使ってみてください。